4月のおはなし ~疫病退散!角大師のご利益~

平安時代の天台座主に慈恵大師良源(じえだいしりょうげん)大僧正(912~985)という方がいらっしゃいます。
正月3日に亡くなられたことから「元三(がんざん)大師」の通称で親しまれ全国の天台宗寺院で厄除けのお大師さんとして祀られており、寛永寺では開山堂で慈眼大師天海大僧正と共に【両大師】としてお祀りしています。

良源大僧正の当時、比叡山は度重なる火災で荒廃し、山内の規律も乱れていました。そこで良源大僧正は堂宇の復興と教学の振興に尽力され、僧風の刷新をはかりました。こうしたことから「比叡山中興の祖」と称賛されています。
また良源大僧正は「おみくじ」の創始者としても知られているなど、良源大僧正の幅広い活躍に対し、朝廷より「慈恵大師」の大師号が下賜されました。

そして優れた霊力をお持ちであったことから、良源大僧正が御祈祷をされるお姿を描いた魔除けのお札を配ったところ、都で流行していた疫病がたちどころに治まったという伝説があります。この時のお姿は、角の生えた夜叉(鬼)のようであったことから「角大師(つのだいし)」と呼ばれ今日まで伝えられています。

世界中で新型ウイルスの感染が拡大しており、多くの人々が不安な日々を過ごしておられるかと存じます。
一人一人が予防をし、助け合っていくうえで、みなさまが仏天の加護により安心を得られますよう角大師のお姿をご覧頂き、そのご利益が届くことを祈っております。

角大師お姿


※ 角大師のお姿が描かれたお札は【 寛永寺 開山堂 】でお授けしております