1月のおはなし ~年の初めに厄除けを~

謹んで新春のお慶びを申し上げます。
また寒い中寛永寺・不忍池辯天堂にお参り下さり誠にご苦労様です。

さて新春の願い事は何になさったでしょうか。家内安全、身体健全、学業増進、金運上昇、安産祈願など、さまざまな願い事があります。そのなかで「厄除け」も多くの方に祈願いただいていますが、特に1月をはじめ年に3ヶ月、特に身も心も清くすべく努める期間があります。それが「三長斎月(さんちょさいがつ)」というものです。

悪いことをしてはいけません、身も心も律しましょう、というのは仏教の基本的な立場です。それらの規定がいわゆる「戒律(かいりつ)」というもので、出家者は当然毎日守るべきとされましたが、一般の信者には大変にハードルの高いものでした。そこで、一般の信者はせめて毎月の6日間だけちゃんとやってみよう(これを「六斎日(ろくさいじつ)」と言います)というのが伝統的な考え方でした。

この考え方が中国に伝わると、正月と5月と9月も努力するという「三長斎月」としても広まりました。ずいぶんと増えてしまった印象ですが、努力するとどうなるのでしょうか。

六斎日と三長斎月に決められたことを行った上で、西方にあると言われる極楽浄土に往生したいと願う者には、薬師如来の功徳によって、臨終の際に観音さまを始めとする多くの仏さまがお迎えに来て下さるのです。(『灌頂経』)

つまり正月に寛永寺根本中堂のご本尊であるお薬師さまに厄除けを祈願し、身も心も清くすることは、極楽往生への第一歩と言って過言ではないのです。今月はお参りの際にぜひ厄除けをご祈願ください。

なお5月と9月にも当堂において厄除けの祈願をお忘れなく。

昨年12月18日に新しい大提灯が奉納されました